2009年9月8日火曜日

国鉄型特急電車



深々と雪が降りしきる、まだ明けやらぬ朝、「しぃーん」と静まり返ったホームにモータージェネレーター(MG)の音を鳴り響かせ待機する特急電車たち。

1998年の冬の青森駅。手前のボンネット型の485系は函館ではなく、大阪ゆきの「白鳥」。その向こうに見えるのは盛岡ゆき「はつかり」。向こうのホームでは札幌からの客車急行「はまなす」が、折り返し快速「海峡」となるべく機関車のエンド交換をし、車内の準備を進めている。「はまなす」から降りた乗客たちは足早に目的の列車に乗り込み、動き出すまでのしばしの時間を過ごす。

秋から冬に向かうこれからの季節、こんな情景に出会いたくて旅をしたものだ。最近、こんな風景を見る機会がすっかりなくなってしまった。ベージュ色の車体にレッドの帯をまとった特急電車の姿を見なくなったからだ。ましてや、このように並ぶ機会は滅多に見られない。

最もこの車両たちは走っているのであるが、塗色が変更された車両ばかりで、国鉄オリジナルのこのカラーリングの車両はめっきり姿を消した。この写真の車両、485系電車に限って言えば、オリジナルのカラーリングは、JR西日本の金沢の車両が残るのみで、大阪へ向かう「雷鳥」が数往復と、急行「能登」で1往復が東京に上ってくるのみでなかろうか。

最近、こんな情景が鉄道博物館に再現されて話題になったが、つい10年くらい前までは、地方ではまだまだ当たり前に見られていた光景だった。だってこれ、デジカメの画像である。

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