2009年8月19日水曜日

夕暮れの碓氷峠



16時56分。しなの鉄道で軽井沢へ。やってきた115系電車は下校の高校生を若干乗せていたものの、考えてみれば夏休み。車内は閑散としていた。現在のしなの鉄道は小諸で運転系統が分かれているようであり、僅かな待ち合わせであるが、小諸で乗り換え。30分弱の僅かな区間であるが、末端のこの区間は1時間ヘッドで系統が完全に独立している。しなの鉄道の最大の悩みのひとつである、複線電化の設備を持て余す区間だ。ウトウトしながら電車に揺られ17時54分。軽井沢到着。
切符を買う際、軽井沢から新幹線ですか?と聞かれたが、碓氷峠をバスで下って、横川へ行く。1997年の長野新幹線開業にあたり、信越本線の横川-軽井沢間は廃止された。66.7‰という規格外の急勾配が介在し、特殊構造の補機、EF63がなければ通過できない区間だっただけに、費用対コストの兼ね合いから廃止に至った。かつては長野から普通列車で帰ってくるとき、トンネルを「ゴゴゴゴ」ユックリと坂を下る音、時折聞こえる先頭のEF63のホイッスルを闇の中ながらに聞くと
「帰ってきたな」
などと思ったものだが、長野から関東へ帰る際の風情ある峠の見せ場は失われてしまった。現在は代行バスが細々と走るのみである。



バスはやはりマイナーなルートなのかと思いながら、バスターミナルへ向かう。長蛇の列となっている隣の東京行きのバスに対し、こちらはガラガラと思いきや、出発時刻が近づくにつれ、アウトレット帰りの若者や登山帰りの外国人を乗せ、結構な人が乗ってきた。確かに時刻表を見ると始発が遅く終バスが早いものの、ほぼ1時間ヘッドで運転されており、普通列車ベースで言えば、鉄道だった時代より本数は多いのではないだろうか。
18時15分。8割方席が埋まった状態でバスは出発した。先発した、先ほど長蛇の列だった池袋行きの高速バスをプリンスホテルに寄っている間に抜き去り、碓氷バイパスへ向かう。そう、このバス、横川までノンストップなのである、プリンスホテルや峠の下の関所跡の入口あたりでも止まってもよさそうだが、今もって代行バスの位置づけで直行である。



18時49分。結構な勢いで碓氷峠の坂を下りきり、日もどっぷり暮れた横川駅に到着。バスから降りた乗客は足早に駅舎へと吸い込まれていく。暗くなり、駅前は至って静か。鉄道文化村も終わる時刻だし、駅前はおぎのや本店の食堂の明かりが点るのみであるが、こちらももう閉まった模様。釜めしは駅の中の売店で売っているようである。
 駅舎へ入ると107系での運用も多い横川までの信越本線であるが、終バス接続のこの列車はカボチャ色の115系での運転であった。チラリと往時を覗かせるような一幕であるが、ホームをせわしなく行きかうEF63の音もかまめしを売る駅弁の売り子の声ももはやなく、ひっそりと列車は出発して行った。





   おわり

0 件のコメント:

コメントを投稿